フィルム『壊れゆく夫人』評論:繁雑でした

フォトには二種類あり、誰もがただ単純に娯楽/アピールとして喜べる力作と、それよりも美術性が激しく、聴衆を選ぶような力作とに分けると思います。

本力作は一番次に入ります。俺はどちらかといえばこちらの類のフォトのほうが好きですが、それでも今まで観た同類のフォトでは必ず力作から伝わってくる明確な「伝言」や、その力作を見るため考えさせられる「目標」が何かしらありました。

しかし、本力作はその伝言や目標が賢くつかみ取れなかったばかりか、各キャラの応対の背景に生じるメンタリティが賢く汲み取れない段階が多くありました。そういうフォトに出会ったのはおよそやっとだ。ピーター・フォーク(警官コロンボで普通)演ずるニックの応対に、たびたび「ヒーローだけでなく彼も壊れているのでは」と思わずにいられない段階が少なからずありました。

「壊れゆく奥さん」という表題でしたが、ヒーローはフォトの最初から壊れているので、じりじり壊れて行く順番が本力作を通して描かれておるわけではありません。従って、ヒーローは何で壊れてしまったのか、それとも生まれつきの人材なのか、それほどわかりませんでした。

このように結構掴みどころの弱い力作なので観賞後は少々消耗が残りました。

ただ、警官コロンボでしか観たことがなかったピーター・フォークが、母親をひたすら愛する父親として時時のぞかせるカワイイ含み笑いと、70階層衣装の信者としてはヒーローの着る服が気に入りました。私も好きな物品ですダシキワンピースが現れるフォトをついに見て、快くなりました。http://www.stephanietubbsjones.com/